はじめに
ここでは、S&P500の動きをテクニカル、ファンダメンタルの視点から解説していきます。
実際に取引している方はもちろん、取引したことのない初心者の方も、この記事で取引のイメージをしていただければと思います。
毎週、為替や日経平均、金などを解説していきますので継続して勉強し、取引で活用してみてください。
S&P500とは
S&P 500(Standard & Poor's 500)は、アメリカの株式市場で最も代表的な指標の一つです。
この指数は、アメリカの大手企業500社の株価を基に算出されており、アメリカ経済の健全さを測るバロメーターとして広く利用されています。
具体的には、異なる業界から選ばれた上位500社の株価の平均値がこの指数に影響を及ぼし、投資家にとっては市場全体の動向を把握するための重要なツールとなっています。
S&P500の価格が上がる要因
- 経済成長: 経済が成長すると、企業の収益が増加し、それが株価の上昇に繋がります。特に、消費者の支出増加や低失業率は経済の健全性を示し、投資家にとってポジティブな信号です。
- 低金利環境: 金利が低いと、企業の資金調達コストが下がり、より多くの投資や拡大が可能になります。また、低金利は株式への投資を他の資産クラスよりも魅力的にします。
- 技術革新と産業の進化: テクノロジー企業の革新や新産業の成長は、市場の期待を高め、株価を押し上げる原因となります。例えば、AI、電気自動車、再生可能エネルギーなどがこれに該当します。
- 政府の政策支援: 経済刺激策や減税などの政府政策が市場に安心感を与え、投資意欲を刺激します。
S&P500の価格が下がる要因
- 経済の後退: 経済が縮小すると、企業の収益が減少し、それが株価の下落に繋がります。リセッションや高失業率は市場にネガティブな影響を与えます。
- 金利の上昇: 金利が上がると、企業の資金調達コストが増加し、利益圧迫の原因となります。また、高金利は債券など他の投資先への資金流出を引き起こすことがあります。
- 政治的不安定や地政学的リスク: 政治的な不安や国際的な紛争は、市場の不確実性を高め、株価を下げる可能性があります。
- インフレの急激な上昇: インフレが急激に上昇すると、購買力の低下や金利上昇のリスクが生じ、市場にネガティブな影響を及ぼします。
チャートで解説
現在のS&P 500の動きは、概ねポジティブな傾向にありますが、市場の変動には常に注意が必要です。
2024年5月22日現在、S&P 500は安定しており、いくつかの主要企業の株価が上昇しています。特に、AlphabetやAppleなどのテクノロジー関連の株が好調で、市場を支える役割を果たしています。
一方で、American AirlinesやAMDなど、いくつかの企業は価格が下落しています。
市場分析によると、このような株価の動きは企業の業績発表や経済指標、政治的イベントなど多岐にわたる要因に影響されています。
また、金融政策の変更や国際的な出来事も市場の変動に大きく寄与する場合があります。(金融政策の変更や、戦争の激化など)
これは、S&P500の週足の値動きです。
2020年に大きく下げたのはコロナの影響です。ここではS&P500だけでなく、世界の株が大きく下げ、情勢に大きな混乱をもたらしました。
その後、金融政策により株価が上昇していきました。
①では、4回ほどこのラインで反発しているため、強いトレンドラインと考えられます。
②では、約2年間上がっていた調整により大きく下げ、下降トレンドとなっています。
その後③で反発し、②をブレイクして再度上昇トレンドとなっています。現在では、2022年1月に付けた高値を更新し、さらなる上昇を遂げています。
これからの展望
2023年後半から2024年初頭(S&P500が約4700)にかけて発表された、今後のS&P 500の価格見通しについては、大手金融機関からいくつかの予測が出されています。
全体的にはポジティブな見方が多いようですが、年内の具体的な予測値には多少の差異があります。
- ゴールドマン・サックス:S&P 500が2024年末に約5,100へと上昇すると予想しており、これは現在のレベルから約8%の上昇に相当します。インフレ率の低下と企業利益の増加が予測されているため、市場が好転すると見ています。
- デュッシュバンク:S&P 500の目標値を5,100と設定し、経済のソフトランディングとインフレの冷却が株価にプラスの影響を与えると予測しています。
- バンク・オブ・アメリカ:連邦準備制度が実施してきた金融政策の進展を背景に、市場に楽観的で、S&P 500の目標を5,000としています。
- RBC:S&P 500の目標値を5,000とし、インフレ率の緩和が株価のPE(株価収益率)を支えると見ています。
- 他方で、ゴールドマン・サックスの別の見解では、S&P 500は約5%上昇し、最終的に4,700に達すると予測しています。これは、比較的穏やかな経済成長が高い株価評価と部分的に相殺されるためです。
まとめ
発表された価格を大幅に上回っていますが、まだまだ上昇の余地はありそうですね。
今年は大統領選挙や金利の引き下げが予定されているので、テクニカル、ファンダメンタルからの市場分析をしっかりと行い、都度適切なポジションを持つことが大切になります。
週足では大まかな流れをつかむことはできますが、どこでエントリーをするべきかは日足や、60分足などから行う方が確実です。動きがあったときには都度記事にまとめてますので、お気に入りに登録いてだければ幸いです。ではまた!