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ドル円37年半ぶり安値!?あなたならどこで買う?【チャートで解説】

ドル円の値動き

 ドル円が日銀の防衛ラインであった160円を突破しました。ここではもしあなたが投資家ならどこで買いまたは売りを入れるかについて、チャートを用いて一緒に考えていきましょう。

問題

 まずは下のチャートを見てください。 これは、ドル円の日足の値動きです。 

 もしあなたがドル円に投資するならどこで買または売りでエントリーしますか?

答え

 一例としては、レジスタンスラインをブレイクしたところが良いのではないでしょうか。2022年10月に付けた高値で何度も反発してブレイクしました。ここをブレイクするまでに約1年半かかっています。

 ※サポートライン、レジスタンスラインは、反発すればするほどまた、ブレイクするまでに時間が長ければ長いほど信頼できるサインとなります。

 ブレイク後、大きく上がって下がったところを見ても、このラインは次にサポートラインとして機能しています。もしここを下抜けするようなことがあれば大きく下げる可能性があります。

金利差

 為替でまず考えておかないといけないことは金利差です。ドルの政策金利は円の政策金利に比べて高いです。高い金利の通貨は持っておくだけで金利を得られるため、この場合ドルの方が人気があります。

 上がるか下がるか、思い通りにいかない為替市場では高い金利の方への投資をメインで取引することが安全です。

 ※今回の場合は買いで利益を取りやすいことを頭に入れておきましょう。

移動平均線

 次は、移動平均線を気にしながら、再度チャートを見てみてください。

 レジスタンスラインをブレイクした後、何度か青色の移動平均線(60日)で反発していますよね。MAもサポートラインとしての機能を持っているため、損切や押し目買いのポイントとして活用できます。

上昇トレンド

 現在のローソク足とMAの並び方として、ローソク足→MA20→MA60となっています。これは上昇トレンドであることを示すサインとなります。この状態の時は利確するのではなく、長く持って利益を追求しましょう。

利益確定、損切ポイント

①ローソク足がMA20を下回ったところ

②ローソク足がMA60を下回ったところ

③MA20がMA60を下回ったところ(デッドクロス)

 すべて正解です。しかし①の場合は少し時期早々ではないかなとは思います。MA60が意識されてそうなので、ローソク足がMA60を実体で下回れば利確or損切ポイントと考えられます。

 逆に③まで行けば下降トレンドへの転換ポイントとなります。

重要な経済指標

 ドル円に影響を与える直近の重要な経済指標として「アメリカ・ISM非製造業景気指数6月」があげられます。

アメリカ・ISM非製造業景気指数とは

 「アメリカ・ISM非製造業景気指数」は、アメリカの非製造業部門の健康状態を示す重要な経済指標です。

 ISM(供給管理協会)が毎月発表しており、主にサービス産業が対象です。この指数は、非製造業部門の事業活動、新規受注、雇用、供給納期、在庫などを調査し、それらの情報から算出されます。

 指数値が50を超える場合、非製造業部門は拡大しているとみなされ、50未満の場合は縮小していると判断されます。

ドル円への影響

良い結果の場合

 この指数の発表が良い結果(50以上で拡大を示す数値、特に予想を上回る場合)であれば、経済全体の強さを反映し、投資家の間でポジティブな反応が見られることが多いです。

 このような状況では、アメリカ経済の堅調さが示されるため、ドルが他の主要通貨に対して強くなる傾向があります。特に、日本円など比較的低金利の通貨に対しては、ドルがより魅力的になり、USD/JPY(ドル円)は上昇する可能性が高いです。

悪い結果の場合 

 一方で、この指数の発表が悪い結果(50未満で縮小を示す数値、または予想を下回る場合)であれば、アメリカ経済に対する懸念が高まり、ドルは売られることが多くなります。これにより、安全資産と見なされる日本円などに資金が流入し、USD/JPYは下落することがあります。

金利への影響

 金利の変化に関連して、ISM非製造業景気指数は、中央銀行の政策決定にも影響を与える可能性があります。

 景気の拡大が示されると、インフレ圧力の上昇を抑えるために金利が引き上げられる可能性があります。これもまた、高金利の通貨としてのドルの魅力を高め、USD/JPYにポジティブな影響を与えることがあります。

為替介入への警戒

 現在、USD/JPY(ドル円)が37年半ぶりに160円を超える円安が進行しています。これは日本銀行(日銀)の考える防衛ラインを突破したことを意味し、市場では為替介入の可能性に警戒が高まっています。

為替介入とは何か、その影響はどうなるのか

 日銀が市場に介入することにより、まず直接的な効果として、介入した通貨(この場合は円)の需給バランスが変わります。

 日銀が大量の円を買ってドルを売ることで、ドルの供給が増え、円の需要が増すことから、短期的にはドルの価値が下がり、円が強くなる傾向にあります。

 為替介入により、短期的には通貨価値が安定し、過度の変動から市場を守ることが期待されます。しかし、介入の効果は一時的なものであり、基本的な経済条件や外部環境の変化には対応しきれないこともあります。

為替介入が起こるとどうなるか

 為替介入が行われると、通常、円の価値は一時的に上昇し(円高/ドル安)、USD/JPYは下落します。これは、日本政府や日銀が市場に円を供給し、ドルを買い取ることで円の需要が増加するためです。

 ただし、この影響は市場の期待や他の経済指標、世界的な金融環境によって左右されるため、必ずしも長期にわたって維持されるとは限りません。

為替介入でのドル円の影響

 為替レートに直接影響を与える為替介入は、通常、急激なレートの変動を防ぐために利用されます。

 円が急激に価値を失い、160円を超えるという状況では、日銀は今後、円の急落を防ぐために介入を決定するかもしれません。

 ※現在は介入を懸念し、ドル円がもみあった状態にあります。

 介入により、少なくとも一時的には円の価値が支えられ、ドルに対して円が強くなることが期待されます。

投資家としての動き

リスク管理: 為替介入は市場に大きな動きをもたらす可能性があります。そのため、ポジションのサイズを調整し、ストップロス(損切りライン)を設定することが重要です。

市場分析: 為替介入のニュースに敏感に反応し、政府や中央銀行の発表に注目すること。政策の変更や経済指標の発表が市場の動向に大きく影響するため、これらを追跡することがカギとなります。しかし経済発表のタイミングでエントリー予想に反した動きもよくあるので気をつけるようにしましょう。

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